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そして待ちに待った約束の日曜日。彼と都内のカフェで待ち合わせをして何故か彼はカラオケに行きたいと言った。カラオケに二人で入り私は衝撃を受けた。
「え、え、え、英輔くん」
声が情けないほどに裏返ってしまった。
「何だその情けねえ声は」
「え、だって、私、そうかもとは思ったけど、本当にそうとは思えなくて。だから、その」
思わず嬉し涙が流れてしまった。失神するかと思った。
「おもしれえ奴だな、お前」
英輔くんがテレビの中じゃなくて私の前で笑ってる。信じられない出来事が今私の前で起こっている。まるで何処かの物語の主人公になったみたいだ。そうだ、これは夢なんだ。私みたいな冴えない地味めがね女にこんな幸運が巡るわけがない。
「おい、しっかりしろ」
「はい、えっと。大好きです、英輔くん」
突然何を言っているのだろう、私は。こんな事を言ったら英輔くんはきっと呆れて帰ってしまう。
「そう、俺もお前見てえなおもしれえ女、好きだぜ」
英輔くんはそう言うと私に近づき壁に追いやると唇を重ねてきた。
ー続くー
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