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「ごめんなさい。私、明日もお仕事があるので」
「俺だってあるよ。そんな事言わないでさ、行こうよ。未来ちゃんさ、今付き合ってる人居ないんでしょ。なら良いじゃんよ」
付き合ってる人か。英輔くんと付き合ってるなんて事言ったら駄目だよね。
「居ないですけど、行きません」
「それじゃ、酔わせて連れ去っちゃおう」
成瀬先輩は私に近寄り肩を組んでくる。私はいつも以上に飲まずに居た。
「おい、大丈夫かよ。斉藤、悪いがこいつを連れ帰ってくれ」
何で私が。嫌だな、面倒くさいよ。だいたい、私に飲ますとか言ってたくせに自分が酔うまで飲んでどうすんのよ。
「はい」
素直に嫌と言えずに了承してしまった。
「宜しく頼んだ」
「成瀬先輩。行きますよ」
成瀬先輩の肩を叩き立たせようとする。
「未来ちゃん、好きだよう」
成瀬先輩が抱きついてくる。
「離れて下さいよ。お酒臭いです」
「良いじゃん良いじゃん」
良くないってもう。本当に嫌だよ、苦手だよ、この人。
「早く帰りますよ。成瀬先輩」
酔っている成瀬先輩を無理矢理立たせて居酒屋を出た。肩を抱き、足をふらふらとしながら歩く成瀬先輩を早くタクシーでも捕まえて乗せてしまおう。
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