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『虹色チャットへようこそ』
画面に広がるのは幾つものカラフルなドア、中を覗くと誰がいるのかわかる。
黄色のドアは、どうやらカップルさんみたいなので邪魔をしないように慌てて閉めて、赤色を開けた。
借金がどうとか真剣な話をしている大人の話題にそこからも撤退。
他にも人のいる部屋は幾つかあって、だけどいつものメンバーが今夜は見当たらない。
僕と話をしてくれる常連さんは、SatoさんとMiss.K子さん、時々マークさんやきょこたん。
皆僕より年上らしい。僕が中学生だと知って可愛がってくれる人たちだ。
どこに住んでるのか、何歳なのか、性別すらも本当かどうかわからない世界にいて、彼らは僕の良き理解者で居場所。
少しだけでも話ができたなら明日が今日より少しだけ生きやすくなる。
だから僕は紫のドアを開け、待機することにした。
きっと僕の名前を見つけた誰かが入って来るだろうから。
『真琴、入室しました』
それから1分後。
『真琴、入室しました』
「は?!」
一人きりのリビングに僕の声が響き焦って、僕以外誰もいないというのに慌てて口元を抑えた。
真琴:うっわー、懐かしい!
真琴と名乗って入室してきたソイツは開口一番そう言い放った。
ちょ、僕の方が先に入室してたんだぞ?
それに虹チャで、真琴と言ったら僕だけだぞ? 誠とかまことは居ても真琴は僕だけだというのに何なんだコイツは。
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