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まこちん:その内どんどん楽しいことが起きるよ
真琴:大人になると?
まこちん:そう、大人になったらもっと楽しいな
だったら早く大人になんないかな、と目の前に置かれたオモチャのロケットを空に放り投げてキャッチ。
もう一度ポーンとロケットを放りキャッチして、元の場所に置いた。
まこちん:やりたいことのために勉強はしとけ? 叶うか叶わないかはわかんないけどさ
またもやドキンとして思わずギュッとロケットを握りしめてから、それを眺めた。
やりたいことなんか、現実的じゃなくて小学生のうちに諦めちゃった。
母ちゃんや父ちゃんは自分たちが特殊な仕事をしているせいか、僕には公務員かサラリーマンになれというし。
それが楽に生きるために必要かもしれないなってそう思ったから。
まこちん:まあ、今はそうだなあ。取り合えず学校はもうちょいしたら楽しくなってくるから行くだけ行っておけ? 体育大会でリレーの選手に選ばれたら、きっとそこで運命は変わって真琴はちょっとしたヒーローになれる、多分な
真琴:なんですか、それ! ノストラダムスの大予言とか、もう古いですからね(笑)
まこちん:おお、ノストラダムス、懐かしい! 後さ、エロ本についてきたDVDはパソコンで再生しない方がいいぞ? いつか絶対取り忘れて母ちゃんにぶん殴られないように
真琴:しませんよ、そんなこと! まこちんさんじゃないんですから!
思わず誰もいないリビングを見回した。
パソコンデスクの横に置いたDVDを左手で隠しながら。
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