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「しているから有るんでしょう。現に私達は映像を通して見ています。ただ、今まで例があるかと言えば、ありません。お恥ずかしい限りですが、私も初見です。情報によりますと、下水の水が綺麗になっているとの事ですが、きっとこの卵が養分として吸収しているのでしょう」
「なるほど。では具体的にどのような生き物の卵か、というのは推測出来ますか?」
「そうですねぇ。鶏卵でない事は確かです。形状的には虫の卵に近そうですが……ただこの大きさを保っていられるのが不思議でしょうがない」
「と言いますのは?」
「ほら、我々が住んでいる地球には重力が働いているでしょう?端的に申しますと、サイズが大きければ大きい程、形を保つのは難しくなるんです。普通の卵がこれくらいの大きさならもう潰れていますよ」
さすが教授だ。言っている事に説得力がある。卵学部がいまいち何なのか良く分からないが、きっと様々な角度から卵を研究しているのだろう。
この放送がきっかけで、SNSや某動画サイトでのLIVE配信、テレビの生放送などで私の卵は頻繁に取り上げられるようになった。そして私は逐一卵が大きくなっていく様子を観察し、悦に入っていた。
「皆さんおはようございます。今日は本来の予定を変更し、Q県の下水処理場に出現した謎の卵の速報をお送りしたいと思います。現場の蝶野さん?」
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