生まれて初めて便Pになった中年

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 さっきまでの苦痛は嘘のように消え去り、私は再び訪れた平穏を、私の体を支えてくれている全ての細胞と分かち合う。良かった、本当に良かった。ゆっくりと呼吸をし、尻を紙で拭く……何だこれは。黄色い粘着質な汁が紙に付着していた。腸から染み出た消化液だろうか。その黄色い液体だけだ。便の残りかすはこれっぽっちも付いていない。じゃあ私は今、何を出したんだ?ズボンを上げる事も忘れて立ち上がり、恐る恐る便器の中を見る。 「うわっ!」 白く光沢のある、丸みを帯びたやや縦長のそれは、卵だった。鶏卵とは違う形をしており、殻もどちらかというと柔らかそうに見える。気が動転した私はケツを拭いたトイレットペーパーを投げ入れると直ぐに水に流した。詰まる事も無く、気色の悪い卵はザバザバと便器の中で回転する渦の中へ、瞬く間に吸い込まれてしまった。放心状態でズボンをはき、トイレから出る。
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