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鈴鹿四時間耐久レース
傾いた地面が高速で流れていく。その先のバックストレートは太陽の焦熱を受けて陽炎が立ち昇っている。私はその灼熱のアスファルトの上をバイクに跨り高速で駆け抜けていた。
「暑い……。でも北斗とペアのこのレースも、あと1周の筈……」
最終コーナーからホームストレートを加速していく。
彼のピットサイン
[93][Lー1][−0.5]
が見えた。
「93週目。これが最終ラップね。えっ? 0.5秒差しか無いの!?」
振り返ると23番のCBRがホームストレートを加速しているのが見えた。
「でも絶対にトップは守って見せる!」
ーーー
『鈴鹿四耐。いよいよ最終ラップです!』
『トップは帝国大学の北見選手。なんと92週目のタイムがニ分一五秒四三! コースレコードを叩き出しました!』
『えっ? ちょっと待って下さい。二位のHRC聖選手は一四秒九八だ! 再びコースレコードを塗り替えた!!』
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