第一幕

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【5階は相部屋】、と。 「さっきもしたけど、私、小高真希。1年B組。」  先程とは違って、今度は私の挨拶を促さなかった。  相部屋なら、一応、自己紹介ぐらいしとくか…?などと考えたが、いや、めんどくさい。わざわざ、会話しなくてもいいじゃないか。  さっさと荷物の整理をして、教室へ向かおう。これ以上コイツと居たくない。  資料を、確認する。  そしてまた、クラスを見て呆然とした。  運命とは、こういうことを言うのか?  【1年B組】と、はっきりと書いてある。  なんだ。これは神様のいたずらか。それとも、校長の嫌がらせか。どっちだ。校長だったらパワハラで訴えるぞ。  なんて、闘志を燃やしていると、小高が後ろから顔を覗かせた。 「あなたも、B組?」  返事したくなかったが、コクンと頷いてみせた。  小高は、あ、返事してくれた。良かった。と、顔を綻ばせる。
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