第一幕

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 ―――このようなことを考えていると、とてつもない自己嫌悪に落とされる。  まぁ、私に嫌悪感などは存在しないのだが。  私は、生きている意味があるのだろうか。  両親の負担になっているだけではないのだろうか。  生きてるだけ、酸素や食料の無駄なのでは。  …なぜ、私は何も感じないのだろう。  ただ、そう考えるだけ。実際に死のうとしたことは、ない。  そうすると余計に心配をかけるから。    はぁ…と、大きなため息をついた。  疲れる。なぜ、生きなければいけないのか。  それに、なぜ、こうして自らが歩いてわざわざ学校へ学びに行かなければならいのか。  他の人に比べると少し大きめの私が、校門をくぐり抜けた。  そして、敷地内に足を踏み入れる。  私立篠宮中学校。私が住んでいる地域では、一番の名門校。偏差値も高く、勿論学費も高かった。 
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