第一幕

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 じゃあ、お母さんはあっちだから。と、母は私から離れて保護者席へ行った。  やっと、五月蠅いのがいなくなった。  歩いてくるだけでも疲れるのに、さらに精神的な疲れを負わされる意味がわからない。  本当に、とまたもやため息をついた。  そう考えていると、あることに気がついた。  声が、生徒の声がしない。静かに待っていないのは、親だけ。  ここでこそ、さすが名門校と言うべきか。小学での集会などでは、騒がしかった男子ですら、大人しく、礼儀正しく椅子に座っている。  そこは、さすがだな、と感心した。  最も、感心する感情などないのだが。  自分で自分の思考に訂正を入れていると、いつの間にか隣に来ていた生徒が、私の肩を叩いた。  何かと思って振り向くと、満面の笑みの女子生徒が、私を見ていた。
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