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説教 その2
面白いので 次の部屋を物色
今度は年配の男性に説教されたい
10年前に父が亡くなって以来
父親的な説教をされたことがない
『カミナリオヤジ』
『喝ッ⚡』
『説教部長』
『精神科医ジャムおじさん』
それらしきマスターを探し出す
無難なところで
『説教部長』の部屋に入室する
「失礼致します よろしくお願いします」
今度は こちらから
すかさず挨拶を書き込む
『礼儀正しいな どんな説教 希望?』
「父が亡くなって 母の小言ばかりで たまに 理路整然と父に人生を指南されたいんです」
『なるほど 君は何歳?』
「43歳です」
少し間があく
『君 どんな仕事してるの?』
「銀行員です」
『仕事はキツイか?』
「キツイこともありますが こんな時代 仕事が忙しいくらいで文句は言えないと思ってます」
『ほう 立派な心掛けだ そんな君が今 悩んでいることは何だ?』
「結婚したいんです」
『出会い系サイトに登録した方がいいんじゃないの?』
「顔も 性格も 自信ないんです」
『それは君 君自身の理想が高すぎるんだ! 顔も 体型も 年齢も気にせず 性格も余程ひどくなけりゃ まあ許そう と 思って相手を探すことさ そういう条件なら 今すぐ 一人や二人 アイツはどうかなと思いあたる女性がいるだろう? 自分に自信がないなら 同じように自信を持てそうもない女性を狙うんだ』
「なるほど さすが部長!」
俺は 少し 目の前が明るくなった
「ありがとうございます さっそく 実践開始します」
『よかった うまくいったら報告に来てくれよ』
「はい 頑張ります! では失礼致します」
思った以上の成果に
俺は満足し 一つの決意が生まれる
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