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新たなる挑戦!
次の朝 俺は
小石を
小さな透明のガラスの小瓶に入れて
コルクで栓をして
由香里さんに 渡した
「この小石 持っててください きっと幸福になりますから 遠い国から飛んで来たんです 遠い星かな」
俺は それだけ言うと
急いで 自分の席に着き
仕事を始めた
昼休み 由香里さんは
俺を 応接室に呼び出し
「最近 大きなミスもなく頑張ってるわね」
と言った
支店長は同席していなかった
「相談って何かしら 今 ここで話せないの?」
俺は 意を決して告白した
「由香里さん 僕 真面目に 由香里さんが好きです 結婚を前提に お付き合いしていただけませんか?」
由香里さんは
意外に 表情を変えず
俺の目を ジーッと見た
「あなた 結婚したら スパッと仕事をやめて家事に専念できる? 自分の苗字を捨てて 私の家の戸籍に入籍する覚悟ある?」
「ええ もちろん! 由香里さんが それを お望みでしたら 喜んで!」
「もう一つ 私の家は伝統ある旧家なの いろいろ難しいシキタリがあるの 例え そのシキタリがどんなに現代の常識からかけ離れていても 反発したり文句を言わず 素直に従う自信ある?」
「自信あります! 仮に失敗して 何度 説教されても 素直に従う自信だけはあります」
俺は 毎日毎日 説教部屋のマスターの言葉を素直に受け止め 実践してきた経験を振り返り 自信を持って そう答えた。
由香里さんは ほんのり嬉しそうに微笑み
「そうですか では 一つ 試験に挑戦していただいてもよろしいかしら?」
「はい 頑張ります!」
「それでは 明日と明後日の土日 一泊二日で私の実家にまいりましょう 帰るまで私の両親と喧嘩をせずに過ごすことができたら 試験は合格です! もし試験に合格できたら あなたの申し出を あらためて真剣に考えたいと思いますが いかがでしょう?」
「挑戦してみます!よろしくお願い申し上げます」
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