第一幕

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「…じゃあ、瑞香はその呪いのせいで死んだって言うんですか?」  あまりにも現実離れした浅間の言葉に、奈々子は思わず疑いの声をかける。 「信じてもらえないと思いますけど…実際にそうなんです。」  浅間は苦しそうに呻いた。認めたくないけど認めるしかない、そういった感じだ。 「信じるもなにも…なにか証拠はあるんですか?」  只ふざけているようにしか思えない。 「浅間さんは悲しくないんですか?からかってるんですか。瑞香が死んでから、そんなにたってないのに…」  眉間にシワを寄せ、席を立つ。「待って!」浅間の声が響いた。 「これ…僕の連絡先です。持っててください…」  信じる気になれたら、是非連絡を。そう付け足し、浅間は小さな紙を私に握らせた。 「…では」  もし、浅間の言ったことが本当だったとしても、今日は聞く気にはなれなかった。  まあ、笑えない冗談を言う人だったが、悪い人ではなさそうだ。  また今度電話しよう。ーーーまた、今度。 私は丸まった小さな紙を鞄の奥底に突っ込み、店を後にした。
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