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生徒に問題があるのを見ている、と言ってしまったら、学校は介入しなくちゃいけない。
学校は介入したくない。
深刻であればあるほど介入したくない。
仕事が増えてしまうからだ。
だから「問題」は「見られない」と見ていないフリをし続けた。
で、家庭に深刻な問題がある小2の少女は、見ていないフリをしなさそうな相手に助けを求めた。
「読者からの挑戦状コーナー」に送ったのは、唯一の連絡先だったから。
深刻な問題の内容――。「暗号でなかった」だけで説明は完了した気もするけど。一応補足。
彼女は自分が自宅でどのようにしているかを、ありのまま書いて送ってきたのだ。
姿が隠れるほどにうずたかく積まれた洗濯物と、弟妹が遊びっぱなしで放置したゴジラのおもちゃの隙間で。
息を潜めて両親から身を守っている。
無視され続けた少女の、最後のSOS。
俺たちも無視してしまえば、彼女は二度とSOSを発しはしなかったろう。
俺が信用を得られたのは、「救われる手段を書いた人」だったから。
つまり、「両親」の登場人物が逮捕される小説。
自分の両親が逮捕されれば、助かる。
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