君との恋は不毛

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　金曜日当日、レイラが開始時間ぴったりにトークルームに入ると、既に他の参加者は揃っていた。

「あ！　レイラちゃん入ったよ！」
　女性側幹事の春香が明るい声を上げる。3対3の合コンのようだ。

「それじゃあ」と、早速画面越しの自己紹介が始まった。
「幹事の春香です。化粧品会社で働いてます！　男性側幹事の涼平(りょうへい)くんとは、飲み仲間なの。今日はみんな集まってくれてありがとう、よろしくね！」
　春香は目鼻立ちのはっきりした快活な美人だ。
　春香の華やかな笑顔を見て、画面越しにも分かるくらい男性陣のテンションが上がった。

　春香の後に、その友達の里奈が続く。
「はじめまして、里奈(りな)です！　春香とは高校の同級生です。今は物流会社で事務やっています、よろしくね〜！」
　里奈は親しみやすいほんわかした雰囲気だ。画面の背景に映る自室も、パステルカラーのインテリアが可愛らしい。

　最後はレイラ。
「こんにちは、AIベンチャー企業『株式会社データマッチ』のレイラです！　今日は呼んでくれてありがとう！　精一杯場を盛り上げたいと思うので、よろしくお願いします！」

　レイラが簡潔な自己紹介を終えると、次々と感嘆の声があがった。
「噂には聞いてたけど、『データマッチ』のレイラちゃんか。すごいなあ！」
「え、やば！　レイラちゃん頭いいんだね！　しかもかわいい！！」
　みんな今話題のレイラに興味津々のようであった。