君との恋は不毛

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 続いて男性陣からもそれぞれ自己紹介があった。  幹事の涼平、その次が健斗(けんと)、二人とも住井商事の営業で同期らしい。  ということは春香と里奈とも同い年だろう。  二人ともいかにも商社マン、という感じの明るい爽やかなイケメンだ。  そして、最後に自己紹介をしたのが、(まこと)であった。  女子とは何と分かりやすい生き物であろうか。  誠が喋り始めると、女子はそれまで以上にきらきら目を輝かせ、はしゃぎ始めた。  涼平も健斗も確かにイケメンだが、誠は一線を画す、一般人と思えないほど整った顔立ちをしていた。  しかも話を聞いていると、どうやら彼は帰国子女、海外の有名大学を出ているエリートであるらしい。  それなのに、全くそれを鼻にかけるようなところがなく、非常に謙虚で紳士的な振る舞いなのである。  まるでフィクションの世界から飛び出してきたような王子様を前に、女子のテンションが上がらないはずはないのだ。
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