第1章 I'm not one to say no.

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少しサバサバしたところも付き合いやすくて、プライベートもよく一緒に過ごす仲だ。 そして、美弥子が言った“あの人”―――。 わたしと同じLaLaのデザイナーで、わたしはよくその人とデザインの採用をかけて戦うことが多い。 でも、デザイナーとしての才能を持ち合わせた彼に勝てた回数は数えるほど。 今度こそその人を負かすぞと毎回意気込んでのぞむのに。 ことごとく惨敗してしまうのだ。 「明日が締め切りだったっけ?」 「そう。それで来週が会議。そこでどのデザインが採用されるかが決まる」 「本当頑張ってよー、はな。あんな男に負けないでね」 「はは……今度こそ勝ちたいけど。あの人の才能すごいからね」 「確かにすごいと思うけど、ほとんど喋らなくて何考えてるか分からないし、気味悪くない?顔はかっこいいけど」 確かに顔はイケメンだとわたしも思うけど。 あの人はわたしにとってはライバルだ。
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