第1章 I'm not one to say no.

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小さい頃の夢は何だっただろう。 確か小学生の時に「将来の夢」という発表をしたけど、そこでお花屋さんとかケーキ屋さんとか話した気がする。 「安定した職に就けるように、勉強を頑張りなさい」 これが父の口癖だった。 堅物警察官の父はわたしの将来を考えて、中学生から勉学に励みなさいと塾にも通わせた。 初めは父の言う通りに従ってきたのだけれど。 高校生になったときに、あることがきっかけで初めて父に逆らったことがある。 「お父さん、わたし、デザイナーになりたい」 高校1年生の誕生日に買ってもらった可愛い花柄のワンピース。 このワンピースがきっかけで、自分もこんな服が作れたらと思うようになる。 そこからだ。 わたしがデザイナーという道を選択したのは。 もちろん父は大反対。 父はわたしに教師とか医者とか安定した職に就いてもらいたかったから。
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