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「それはごめんなさいね。いつもギリギリに出勤してくるから」
透き通る声が特徴の彼女は、長い少し茶色がかった髪をなびかせながら言った。
この会社は1階がショップとなっており、2階から上でデザインを作成したり会議を行ったりしている。
だから、毎回彼女が働くショップを通って奥の階段から2階へ上がるのだ。
「もうそろそろ締め切りで頑張ってたもんね、はな。どう?完成したの?」
「うーん、一応?」
「なに、その微妙な反応は」
「いやー、ちょっと手直ししたいところがあってさ」
「そっか。今度こそは勝てそうなの?あの人に」
「……それは分からないけど、でも頑張ってる」
「うんうん、応援してるよー。私、結構はなのデザイン好きだからね」
美弥子とはわたしがこの会社に勤め始めてすぐに仲良くなった。
下に弟が2人いるからか、面倒見がよくわたしのことをいつも応援してくれている。
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