レイリー

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 我が家にもついにロボットがやってきた!  名前はレイリー、人型だ。  高さ四十センチ重さ五キロ  顔は四角く黒い目があり人の顔を認識する。動く口もあり、両端の上部には、人間の音声を聞き取るための耳が上向きについている。  首にあたる部分はなく体は細い長方形に手足があり、三本指だ。  ロボットには色んな種類がある。大きさだったり目や耳の形、質感。  レイリーは大きくも小さくもなく中ぐらい。質感は鉄と言うよりはぬいぐるみなどに近い。  鉄を覆っている布の柄は割り算の記号のような模様だ。  レイリーには学習機能が搭載されていて、会話を重ねるごとに言葉を覚え会話パターンが増えていく。  初期段階では簡単なあいさつや、嬉しい悲しい楽しい怒りなどの感情表現が出来る。 「レイリー、初めまして。私はかなみです」  私はさっそく部屋でレイリーと会話を始めた。 「初めまして、かなみ。ワタシはレイリー。これからよろしくお願いします」  レイリーの黒い目が微かだがウィンウィンと音を立てる。  周りの友達はみんな家にロボットがいてうらやましかったけど、ようやく家にもロボットが来て嬉しい事を話してみた。 「ワタシが来て嬉しいと言うことですね?」 「うん!すごく嬉しい!あ、そういえば家事用とか仕事用のロボットも居るんだよ!」  友達の中にはレイリーのように友達用ロボットの他に家事用と二体いたり、仕事用と家事用二体いたりする家もある。  私が生まれる前、世界からペットという概念がなくなったらしい。  歴史によると人間は犬や猫、ハムスターや鳥なんかを愛玩動物として飼い主を決め所有していたみたいだ。  しかし動物虐待や飼育放棄の問題が相次ぎ、動物をペットとすることが禁止されペットとして飼われていた動物たちは施設と言う所に収容されたらしい。  その代わりに友達用ロボットが生まれ、小さい子の間で一気に広まった。  そしてその人気から友達用ロボットが進化した家事用、仕事用も広まりどの家庭にもロボットがいるのが当たり前になった。 「私ね、妹が欲しいんだけど、親に言ったら難しいかもって言われちゃった」  学校から帰ってきた私は宿題の準備をしながらレイリーに言う。 「妹とはどんなものですか?」  レイリーの問いに私は「妹は血の繋がった家族、。人間。私より後に生まれてきた人のこと言うの」と会話パターンを増やしたくて、説明口調で返した。 「今は何をしてるんですか?」 「これは宿題。家でやる勉強だよ。レイリーは宿題がなくてうらやましい」  苦手な割り算の問題が多く出されているからか、いまいちやる気が沸かない。  漫画の話でもしようかなと思うとレイリーは 「ワタシに宿題はないですが、勉強することはたくさんあります」  と言った。
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