腐れ縁から始まる恋

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出会いは、高校入学して隣の席がアイツだった。 何度か席替えしても隣の席だったり、通路を挟んだ隣だったり。 アイツは隣の席の私を見る度 「また、お前が隣かよ」 って言いながらも、通路を挟んだ隣の席なのに 「悪い、筆記用具貸して」 と言って私のペンケースから勝手にシャーペンと消しゴムを持って行っていた。 いつからか、私は筆記具にあいつが好んで使っているシャーペンと、予備の消しゴムを入れておくようになった。 いつだったか 「お前、いつも奥寺から借りてないか?」 ってからかわれると、彼は笑顔で 「こいつのシャーペンと消しゴムは、俺のシャーペンと消しゴムなんだよ」 と、某アニメのジャ○アン発言をしていたっけ。 そんなアイツ…春原(すはら)将生は、いつしか私にとって特別な存在となっていた。 春原はサッカー部で、昼休みになると仲間で校庭を走り回るような奴だった。 だから告白されても 「俺、女と付き合うより友達と遊んでる方が楽しいから」 と断っていた。 私は例え女の子扱いされていなくても、筆記用具係でも、彼が声を掛けてくれるだけで幸せだった。 しかし高校2年になって、クラス替えで別々のクラスになってしまう。
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