もう逢わない、もう逢えない。

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**** 「シチューっておかず?」 「私はご飯にかけて食べます」 「え?!カレーじゃんそれ。俺パンにつけて食べたい」 「食パンでよければ冷凍庫にありますよ」 「やったぁ」  近所のスーパーで買い物をして帰宅し、私が風呂に入っている間にシチューは出来ていた。どうやらうちの戸棚の奥に眠っていた圧力鍋を引っ張り出したらしい。確かゴルフのコンペの景品で貰ったもので、一度も日の目を見ていなかった物が、ここで活躍するとは。  まるで当たり前のように食卓に置かれた、二人分の食事にはもはや何も言うまい。シチューは文句なしに美味しくて、おかわりまでしてしまった。  食事を終え、流石に食器洗いくらいはしなくてはとシンクの前に立つと、背中を押されソファーに戻されてしまう。 「約束通り俺がやるからいいんだよ」 「いえ、食事をしたら予想以上に元気が出たので」 「だったらその元気を明日の仕事の為に取っておきなよ」 「…………」 「まぁ俺を抱く元気に当ててもらっても良い」 「…………」 「何その無言は!」
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