もう逢わない、もう逢えない。

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 夜々塚さんは私の話を最後まで聞かずに、皿を洗い始めてしまった。時刻は10時を過ぎている。私がベッドに入るのは大体深夜0時頃、それくらいに夜々塚さんもいつも帰っていく。バイトがあるときはもう少しだけ早い。    夜々塚さんの下品な下ネタは健在で、たまにその影響か性的な雰囲気になり、多少流されることもあるが、大体何もしないままに帰る。  テレビもつけず、じっと皿を洗う彼を眺めていると、バチっと視線が合った。 「なーーーにエロい目で見てんだよーーー」 「見てはいましたがエロい目では見ていません」 「見ろし」 「助かりました。ありがとう」  私が感謝の言葉を口にすると、彼は恥ずかしそうに口をもごもごと動かす。自分は思ったことや下ネタを平気で口にするのに、素直に感謝されると恥ずかしいらしい。  夜々塚さんはスススッと私の座るソファーまで歩いてくると、隣に座った。そして男性だと分かっていてもドキリとしてしまう端正な顔をこちらに向け、大きな瞳で私を見つめた。
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