つまらない男

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つまらない男

「私と一緒に居て、楽しいですか?」 私は食事のオムライスに向けられていた視線を上げ、冒頭の言葉を投げかけてきた彼女を見つめた。 「つまらなくは、ないです」 「そうですか」 昼下がりの、最近新しくできた洋食屋で食事を摂る男女。側から見たらきっと恋人同士に見えるに違いない。 だが、違う。 目の前の彼女はフォークを置き、まだ一口も食べていないカルボナーラには目もくれず、こちらを見つめながら再び口を開いた。
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