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就職が決まらない。
目下の悩みはこれに尽きた。
最初こそ、誰しも知っている有名企業や大企業にエントリーしていたのだが、すぐに現実を知った。履歴書の時点で掠りもしない。
身の程を知り、次は身の丈に合った企業に的を絞ってみたが、これもなしのつぶて。
その時点で周りからはちらほら内定が出たという話が出るようになった。
ああ、あの子はすぐ出そうだよね…え、あの子も? あんなに遊んでたのに? え。あいつも? 必須科目の授業いっつも寝てたぞ、まじで?
ここまで来たら選り好みはしていられない。結果、今日までに通算のべ300社近くエントリーしてみたものの、面接に辿り着けたのはその内十数社だ。
それでも夢の内定は出ない。
出ないまま、あっという間に年末になってしまった…。
就活? ああ…もう今回は見送るわ。単位もあぶなかったし、ちょうど良いよ。
そう宣ったのは私のとある友人だ。
実家が金持ちのやつは言うことの時限が違う。まったくもって羨ましい限りだ。なんて、他山の石を羨ましがって卑屈になっている暇なぞ私にはなかった。
なぜなら私はお国からお金を借りているからだ。その名は奨学金。フルで借りて、現時点でさえ中々の金額となっているのに、そのうえ更に一年の学費を上乗せするわけにはいかない。何としてでも今の時期に内定をもぎ取らなければならないのだ。
なのに一向として決まらない。
気落ちしている私に気分転換も兼ねてとさっきの友人が持ってきた話が、この神社のアルバイトだった。
昔から何かしらのボランティアに参加する機会が多く、てっきり今回の話もそうだと思っていたが、聞けばアルバイトだった。もちろんしっかり給料も出る。
最近はボランティアに参加していなかったし、面接の時に役立つかも…なんて下心も正直なところあったのだが、うーんアルバイトか…と思ったのも一瞬、辞退することもないかと思い直した。
なんせごく近い未来に、いきなり云百万の借金を返済することになるのは確定事項なのだから。
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