恩羅院のひみつ

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 絶体絶命。とうとう白子の「8耐言葉責め」と、淼の「ニーは変態」が炸裂か…その時、白子が何かを思い出した。 「淼!あれを使うの!」 「そっか、さっきの…」  淼はピンク色のポーチをまさぐり、さっきもらった見学記念品、800万ボルトのスタンガンを手にした。 「お前ら、もう許さないっちゃーー‼︎」  ドバババババ!と、淼のスタンガンから強烈な電気が放たれる。それは先頭の門是二を直撃するが、全員が淼に近づこうと密着していたため、電気は一気に全員に流れた。 「すごっ、芋づる式に全滅…あー!淼、こういう古い映画見たことあるよ?ええと、失われた…」 「古いだなんて、インディは永遠よ。にしても強烈な電気を浴びると人間って本当に骨が透けて見えるのね。いいもん見さしてもらったわ」  髪や眉毛がチリチリになり、口から黒煙を吹く僧たち。「電気責め…これはこれで…」という断末魔の喘ぎを残し、多幸感とともに気絶した。  白子と淼は未曾有の危機を乗り越え、すんでのところで恩羅院からの脱出に成功したのであった。  なお淼がまみれたローションは、高貴な白檀(びゃくだん)の香りつきの最高級品。その香りがなかなか取れなかった淼は、学校でしばらく「粘液(スライム)白檀(ボム)」と呼ばれる羽目になる。ついでに白子はその間「ビッグ・ザ・レオポン」であったという。  最後に恩羅院について。ここ尾張市が総本山ではあるが、分院が全国各地に点在するという。もし見学者募集のチラシがあなた…若い女性宅のドアポケットに無理矢理ねじ込まれていたなら、万難を廃して見学を推奨したい。  また老婆心ながら、その際はトラジマの衣服は避けるのが望ましいこと、付け加えておくのじゃ。
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