恩羅院のひみつ

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 半泣きの淼に半笑いの白子、それぞれの頭にたっぷりとローションが入った湯呑みが置かれた。 「では、地獄的禅を開始する!」  生一本の号令に天画が和太鼓を1回打ち鳴らし、1分間の修行体験が始まる。 「白子ちゃ…淼、もダメ…」  5秒足らずで音を上げる淼に対し、白子は涼しい表情だ。 「修行が足りないわね、淼。私を見なさいよ、なんならギター弾いて歌えるわよ」 「こんな修行、足りなくていいよぉ…」  白子は余裕で、淼はどうにかギリギリで1分間を耐え、体験が終わった。 「やったよ白子ちゃん、淼はやり遂げ…ああ、あぁぁ?」  立とうとした淼、だが足の痺れに気づかずよろけてしまう。そしてバターン!と、うつ伏せに床に倒れてしまった。 「おお、おお…」  瞬間、僧たちの視線が淼の腰に集中。倒れた拍子に淼のミニスカートが背中までまくれ上がっていたからだ。ローションにまみれた淼の今日のパンツは…黄黒のトラジマ。 「お、お…」 「恩那様…」 「恩那様じゃ…」 「なんと美しい…」  キュピーン!という音とともに、この場にいた5人ほどの僧の瞳が輝きを増した。 「()ったーい…え?え?」  淼はただならぬ雰囲気を感じ取る。さすがの白子も、 「ちょっと大浴棒?これはどういう…私たちは恩那様じゃないってさっき」 「否!このトラジマの衣、そして気づかなかったが頭の2つのお団子…恩那様、もしやツノをお隠しでは?ああこの生一本、長い間お会いしとうございました。ぐへ」  これはあかんと、白子は淼の手を引く。 「ダメだ、大浴棒も欲望全開だ、逃げるよ淼!」 「ふえええん、だから嫌だって言ったのにぃぃ!」
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