プロローグ

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 体温調整システムが、適度に脂肪を燃焼させ体温調整を始めた。  今朝は少し肌寒さを感じる。  太陽電池の充電量が乏しかったので、セーブモードに入っていたようだ。  全面ガラス張りの窓を開けテラスに降り立つと、五月の爽やかな風が心地よく頬に当たる。  庭の芝生は庭師ロボットの丹念な手入れで、朝日を浴びて柔らかく光っている。  今日は光男たちとゴルフをする予定だ。  晴れていることに安心して、朝食を取るためにテラスを後にする。  今日は気持ちのいいラウンドができそうだ。    キッチンに入ると、フードセンターからスポーツ用ドリンクが届けられていた。普段よりも炭水化物の含有量が多めに配合されている。  180CCの白い液体を一気に飲み干した。  これで昼迄エネルギーが尽きることはない。  飲み終わった瓶は返還用のポッドに入れておけば、朝の尿と就寝時の体温データなどを基に、夜には今日の体調に最適に調合されたドリンクが配送される。
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