プロローグ

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 スタートの時間が来た。三人でクラブハウスを出て一番ホールに向かう。  フェアウェイに出ると、脳内のマイクロチップがスリープ状態になる。これでAIの力を借りて運動能力を強化することはできない。  マイクロチップ内のAIプログラムは脳内の電気信号を制御し、状況に応じて最適な筋力コントロールを行ってくれる。加えて反射神経や運動神経も何倍にも高まり、瞬時に一流アスリートが誕生する。  さらに、不必要なアドレナリンで肩に力が入ったり、逆にプレッシャーで腕が縮こまってしまうなど、メンタル面も最適にコントロールしてくれる。  従って、スポーツを楽しむときにマイクロチップはその趣旨を損なうため、ほぼ全てのスポーツ施設では、脳内のチップはその働きを停止させる。
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