1001号室のユキムラさん

4/4
前へ
/4ページ
次へ
* 「お早うございます」  ユキムラさんに挨拶をするとユキムラさんはニコリとした。 「お早う。早朝からご苦労さん」  ユキムラさんはそう言い残し、杖をつきながらエレベーターに乗り込む。  持参したビニール袋には二本の缶コーヒーが入っていた。  僕は自動販売機に向かい、ユキムラさんがいつも買うコーヒーの【冷た~い】の上から貼った【あなたらし~く】のシールを剥がした。  明日、出勤したらまた貼っておくのだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加