第五章 憧れる強さ、本当の強さ

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「まずはコピー優先。出来次第俺に報告、確認後各所へ郵送」 「はい」 つい元気の無い答えをしてしまい先生の顔はあえて見ずに、とりあえずコピーに取りかかった。 もちろんただコピーだけをしている訳では無い。 その間に色々頼まれるので、こんな時にコピー機が詰まったら地獄だと思いながらバタバタしていると、出雲、と名前を呼ばれ、あー、まだこっちが途中なのにーと先生の机に行く。 「昼だぞ」 時計を見ると既に12時半。もうこんな時間だったんだ。 時間を把握した途端、私のお腹が空腹を主張してきた。 「何か買ってきますか?」 「出るのも面倒だ出前にしよう。何が良い?」 おお!先生が!一之森先生が私に尋ねた!と感動しているのがバレて、先生の眉間に皺が寄る。 「お蕎麦とかうどんあたりが頼みやすいですかね」 「そうだな、俺はざるそばで天ぷら付き。お前も好きなの頼め」 「わかりました」 私は机の横に置いてある出前をまとめたファイルからそば屋さんのを探し出して同じ物を二つ注文し、大きなお盆が届いたのであわあわしていると後ろから現れた先生が軽々と持ってくれて一緒に応接で向き合いながら食事になった。
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