第五章 憧れる強さ、本当の強さ

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「どうだ、体調は」 「もう大丈夫ですよ。本当にご心配おかけしました」 「婦人科の結果は」 「血液検査は問題なかったです。別の検査結果は、その・・・・・・」 特に問題は見つからなかったけれど、結果を伝えるのは何となく恥ずかしくて口ごもると先生がその意味を気付いたようだった。 「答えなくて良い。踏み込んで悪かった」 どうしたんですか一之森先生?!なんか変ですが?! おそらく気を遣っている。松本先生や近藤先生に釘を刺されたのか、それともまた何か不幸があったのか。 「先生どうしました?なんか変ですよ?私が休んでいる間に何かありましたか?」 さすがに不審というより心配になって聞けば、先生はおそばをずるりと口に入れ、しばし咀嚼していたが私の方を見た。 「高典と近藤先生、そしてじーさんに注意を受けた」 あーやっぱりーと思わず苦笑いする。そしておじいさんまで加わっていたとは。
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