第五章 憧れる強さ、本当の強さ

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「高典からは、一人暮らしの女子は体調を壊しやすいからお前が配慮すべきだったと。 近藤先生からは俺がお前に甘えすぎていると注意を受けた。 じーさんからは、法律事務所という精神的にもハードなバイトに地獄のバイトと学業もしているなら体調を崩すのも無理ないのにお前は何をしていたんだとうるさいし。 俺としても色々反論したい点はあるが、出雲に出来る範囲で看病したことを伝えると全員驚いた反応をした。 俺は余程どうしようもなく冷血漢な人間だと思われているらしい」 不満そうな声に笑いそうになるのを耐えながら、 「私は先生に看病して貰ってもの凄く感謝してますよ。 まぁ、日頃の先生を見てると看病しただなんて意外に思えるのは仕方ないかと」 と素直に言ったら、どうも答えが間違っていたらしく先生の眉間の皺がより深くなった。 まずい、お世話になっておいて不機嫌魔王を私が降臨させたかとヒヤヒヤしながらそばを食べる。
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