第五章 憧れる強さ、本当の強さ

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もしかして、お前はこの時期に勉強せず息抜きなどなんだと思ってるんだ、とか説教をされるのが心配になって、 「寝込んで色々授業も休んでバタバタしてたんですが、凄く外に出たくなったんです。もちろん、そんなことせず勉強していろというのはわかるんですが」 先生は黙ったまま。 この空気重くて嫌だー!と内心泣きそうになりながら、先日閻魔庁で閻魔ちゃんと篁さんが話していたことを思い出した。 そうだ、お礼を先生にしなくては。 「先生、看病していただいたお礼を少しでもしたいのですが」 「いらん」 何だか拗ねているのか機嫌を損ねているのかわからないが、もうさすがにこれくらいで怯む私では無い。 「何かご飯かデザートでも奢らせて下さい。その、凄く高いのは無理なのですが」 一生懸命笑顔を浮かべて言ってみたが、先生は無表情。 あぁ、またいらんって断るだろうな。 「わかった」 やっぱりなぁ。 ・・・・・・ん?今なんて言ったの?
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