第五章 憧れる強さ、本当の強さ

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入って右側の社務所で御朱印帳と御朱印をお願いすると、先生が財布を出して支払おうとした。 「駄目です、これは私の好きでやるものですし。それに今日のお昼ご飯は奢りますので!」 キリッと見上げれば、先生は財布を黙ってお尻のポケットにしまった。 それが何故か嬉しい。 「わぁ、綺麗」 社務所を出て受け取った御朱印帳を見れば、ネットで見るよりも遙かに美しい。 確にホロスコープのようなデザインで、きちんと子丑など方位も描かれて気に入ってしまった。 「よし、今度六道珍皇寺でも御朱印貰おう」 「時々やる特別拝観だと、おそらくその時限定の御朱印が出るぞ」 「本当ですか?!」 「ほんと、女は期間限定、レアってのが好きだな」 ウキウキしていたのに、今までの女性を思いきり匂わされている気分で嫌になる。まぁ先生がモテてないはず無いんだけど。 「で、次はどこだ?ここだと北野天満宮か?」 「そうですね、近いし」 「少し距離はあるが、閻魔大王を祀ってるところもある」 思わずばっと先生を見た。
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