第一章 嘘と方便

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『さっきのファイル入れてなかった!』 「下に持っていきますから他に忘れ物ないか確認してて下さい!!」 ぶち切れ気味に電話を切りファイルを持ってスマホと事務所の鍵を持ち、事務所を閉めて一階にいるエレベーターをこの階に戻して乗り込み一階に行く。 せめてエレベーターを最上階に戻しておくなんて気遣い出来るわけがないのはわかっているが、それが出来れば少しでも時間が稼げるのに。 「時間やばい!」 「誰のせいですか!」 焦って鞄に先生はファイルを詰め込むとダッシュした。 さて間に合うだろうか裁判に。それも今回の目的地は大阪地方裁判所。 JRを降りたらタクシーに乗るはずだが、間違えて梅田の地下ダンジョンに入ったら方向音痴の先生は二度と出てこられないのじゃ無いだろうかと息を吐きつつ事務所に戻った。
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