p10

1/1
前へ
/16ページ
次へ

p10

莉子の困った怒った顔が めちゃ面白くて めちゃ可愛かった。 けど やっぱり俺をみたあと 何事もなかったかのように 階段を降り始めた。 ちっ! ムカつくやつだな! こっちむけ! スマホをタップする! 『ちょっとまってくださ-ああい♡』 しずくちゃん音声が響く。 今度は振り向かない。 スマホ連打!! 『ちょっとまってくださ-ああい♡』 しずくちゃん再登場 『ちょっとまってくださ-ああい♡』 更に連打!!!! 夜の住宅街に響く 2次元アイドルしずくちゃんは偉大だ! 莉子の肩が揺れて 笑いをこらえてるのがわかった。 どうせ 莉子のことだ。 あの陽キャの図々しい女子のせいで 変な気を回したに違いない。 ばーか そんなのバレてんだよ! こっちむけ! 莉子がこっちを向いた。 仕方なさそうに笑っていた。 「笑うな。ばーか。」 俺が笑って言うと、 ムッとした顔を崩さずに 「笑うわ、ばか」 って莉子が笑った。 そのタイミングで 俺は ポッケの中にあった 正方形のボックス型の ミニチョコを渡す。 コンビニで売ってた ちいさいチョコだ 「食え。」 何も言わず 俺が 差し出したのを 受け取った莉子は そのチョコをじっと見ていた。 「頭使ったから食え」 とフィルムを剥がして  先に 口に入れると 莉子も同じように チョコを食べてくれた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加