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P13
トートバックを探り出した莉子を
見ていたら
例の図書館司書が
「すみませんが、
スマホの音量にご注意ください。」
と
いつの間にか
俺らのデスクのそばに立っていた。
2人でびっくりした。
うっかりしていた。
「すみません!!」
咄嗟に2人で謝ったが
そのハモリも館内に響いて
数人の利用者がこっちを見た。
この場は すぐに立ち去るに限る。
「りこ 飯食いに行こ!」
手早く荷物を片付け始め、
トートを漁ろうとしていた莉子も
自分の資料片付けて
積み重ねてた数冊の本を持って
本棚へ行った。
椅子に取り残されている
トートの中の
何を探そうとしていたのかな
と思った時に
戻ってきた彼女の身支度も
出来ていたからすぐに席を立った。
歩きながら
さらりと
俺の右手を莉子の方に出した。
なんとなく手を出した。
手を繋ごうと思ったんだが
俺の想定にはなかった
カツンとちょっと固いモノが
掌に触れた。
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