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差し伸べた手に触れたのは 明らかに この時期にもらうあれだった。 四角いホワイトのボックスに ピンクとブラウンのリボン掛け されていたそれは バレンタインの チョコレートボックスだった。 「ずっとこの時期になると 用意してた。」 受け取ったボックスを見ていた俺に 莉子が そっとつぶやいた。 俺ら 馬鹿だなって思った。   すぐにチョコボックスを 反対の手に持ち替えて もう一度 右手を 莉子の方へ差し出した。   「莉子 手つなご。」 「それ改めて言うの草」 「莉子 飯食いに行こ」 「ラーメン食べたい」 「莉子」    次に何を言おうかと思ったけど 「チョコ サンキュ  すっげうれしい」 と伝えたら 莉子がめっちゃ嬉しそうに笑って 手を握ってきた。   
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