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 黒板を背に大きな声で 「明日はバレンタインですが!  絶対にチョコを学校に 持ってこないように!!」  と叫ぶ担任に 「はーい!」  の返事も  まだらだった懐かしい教室の風景は  今でも思い出すのが 容易(たやす)い。  俺と莉子の出会いは 中学の入学からだ。  たまたま同じ塾に入塾していて  学校も一緒だったから  共通な話もあったから  お互い、適当に言い合いしたり  それぞれのなんとなくの話を  その時その時で交わしていた。  中3の受験期に 同じクラスになったのは  偶然というより  必然に近くて  お互いに目指す場所は違うけど 状況慣れしないクラスの友達よりも  こちらの雰囲気を読み取るのが早い 莉子は  なんだかんだと気心しれた  友達として いい状態だったと思う。  俺らはずっと トモダチだ。
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