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担任の投げたバレンタインネタの
反動はそのままで
それぞれ帰宅に向かう俺らの
十分すぎるオモチャになる。
一部男子の盛り上がりは半端ないが
女子の冷ややかな目が突き刺さる。
「おい!翔
お前
今年何個チョコもらうんだよ!」
「は?お前、こいつは
ゼロに決まってんだろー!」
「俺は100個ね!」
「んあ?んなわけなかろうが!」
「ばーか!!」
俺が黙ってても
会話は良いように進む。
ゲラゲラと
しょうもないことで笑ってる俺らに
担任もいつもの
おだやかな表情のままで
教室を出ていった。
2週間後に入試本番を控えているから
クラスの中も微妙な雰囲気だ。
すでに進路も決まって
余裕なやつらと
次が本命チャレンジで
ピリピリしてる奴もいる。
バレンタインネタが
どれだけお互いの救いになるかは
わからないけど
あと1か月もすれば
このクラスとも
この学校ともお別れだ。
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