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「え!ちょっと待って!」 そんなことを言われた。 確かに こちらのそっけない態度に びっくりさせたかもしれないが 俺が気を遣う義理はない。 自転車から鍵を抜き取り 教室に向かう外階段に向かうと 親の車で やってきた莉子が 階段の真ん中くらいのとこにいた。 俺から声をかける。 「りこ」 「あ、やほ」 「時川!!」 階段下で俺を呼ぶさっきのアイツは無視。 「あれ?呼んでるよ?」 「は?俺 関係ないし」 莉子を追い越して ドアを開けて中に入った。 靴を脱ぐ瞬間 莉子が その場所から 階段下に降りていくのがわかった。 あいつ、馬鹿。 あんな面倒なのほっとけばいいのに って心底思ったが あの場所に戻る気はなかったから 自習室に行く。 部屋に入って、席に座り ワークを開いて 数学の大設問を解き終えた 15分後くらいに ようやく莉子が席に着いた。 コートや荷物を片付けながら あいつが意識して こっちを見ないようにしてる気が した。
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