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「なぁ、そろそろいいだろ? 今全然痛くないし」
「だめですよ。治ってから」
「は!? 完治までダメなのか? そんな事言ったら一ヶ月以上先じゃねーか」
ありえないありえない。
それだけは、マジでありえない。
「お前は、それで我慢できんの?」
「…………」
隣に座る翔太をじっと見つめると、黙ったまま少し気まずそうな顔をしている。
「だ、だって。もし悪化しちゃったらどうするんですか。それで治るのが遅くなったら嫌ですよ」
もちろん俺の身体を心配しての事だって、分かってるけれど。
その時ふと、すごくイイコトを思いついた。
「じゃぁ俺は動かなきゃいいよな。翔太が色々協力してくれたらさ、負担なく出来ると思うんだけど」
「どう?」と返事を催促すると、困ったような瞳が何かを言いたそうに揺れている。
「翔太、やだ?」
「嫌じゃない、ですけど」
「けど?」
「俺……へ、下手ですからね」
おぉ、これはまた可愛い理由!
もう堪らず、俺は翔太の手を引いてリビングから寝室へと移動した。
俺達はベッドの上に向かい合うように座った。
キス以上のイベントは久しぶりだ。
「なー、舐めたいんだけど」
「……捺さんは大人しくしてて」
「俺は動かないって。だから翔太が舐めてほしい部分を俺の口の前に持ってきて」
「え、えぇ?」
何を言ってるんだって戸惑う顔が、俺の好奇心をくすぐる。
「自分で上脱いで? 俺に舐められたいところ教えてよ」
「も、捺さん……へんたい」
「そうだよ。知らなかった?」
「知らなかったですよ、もぅ……」
恥ずかしそうな顔をしているけれど、翔太は俺に言われた通り自分の上着を全部脱いで膝立ちの姿勢で準備している。
俺の目の前には薄いピンク色した蕾が二つ。そこまでにはまだ距離があって、届かない。俺の肩に両手を置くように言って、二人の身体が触れないギリギリのところまで詰めた。
「どこ舐められたい?」
「ど、どこでも、い……です」
「本当は?」
そう問いかけながら胸の尖端に息を吹きかけた。
「あ! ちょっ、ちょっと!」
「動いてないけど?」
「うぅ、」
「今の場所、舐めたら気持ちいいと思う?」
「……や、だ。も」
真っ赤に染まった頬がふるふると左右に揺れた。
こいつの反応が可愛いすぎて、必要以上にえろい事言って責めたくなってしまう。
これでも普段は抑えているつもりだ。
でも今日は久々で、これまで繰り越ししていた分のエロ貯金を全部精算してしまいたい。
「なぁ翔太さ、なんでもするって言ってたよな?」
「こ、こういう意味で言ったんじゃ……」
「それは分かってるけど。でもいつもは俺がしたくてしてるだけだから、お前がどうされたいのかちゃんと知りたいんだよ。だからさ、教えて?」
俺がちょっと真面目っぽくおねだりすると、翔太はいつも困った顔をしたあとで素直に言うとおりにしてくれる。
それがもーたまらなくかわいい。
その度に俺の寿命は延びてると思う。
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