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不思議そうな捺さんの顔があんまり可愛くて、俺はつい答えたくなってしまった。
「……ね、ネコなんです。二人とも。だから、だ、大丈夫なんです」
は、恥ずかしい。
「ふーん」
あれ、意外と反応薄い?
もっと揶揄われたりするかと思ったのに。
「よっと」
「──わっ!」
いきなり体を持ち上げられ、捺さんの上に乗せられた。そしてそのまま一緒にソファに横たわる。
「な、なんですか急に」
俺の顔の真下に捺さんの顔がある。お互いの身体がぴったりくっついていて、心臓の音がそのまま伝ってしまいそうだ。
「翔太はネコなんだ?」
「え?」
「初めて聞いた」
「だ、だって、わ、分かってるじゃないですか」
「んーそうだっけ?」
捺さんがニヤニヤしてる。
もう、やっぱりこうなる。
「ちょっ、ちょっと一回離して……」
心臓がやばい。ドキドキする。
俺が起き上がろうと手をソファに伸ばすと、その腕を捕まえられ手の甲にキスされた。
「なぁ、なんでネコなの?」
「し、知らない!」
「はは、知らない? さっき自分で言ったんだろ」
「やだ、捺さん……も、」
これ以上は、やばい。
「知りたいんだよ。な、俺に教えて。自分はどうしてネコだと思う? 俺に何か、されたいの?」
「ん、うぅ……」
こ、言葉攻め~!!
「や、だ、い、言わない!」
もう、これ本当いやだ!
捺さんの甘い視線と声が俺の脳にダイレクトに刺激として伝わってきて、頭がクラクラする。
そのせいでいつも恥ずかしい事言ってしまうから……だから嫌なのに、なのに──
「理由、教えてよ。じゃなきゃ今日は何もできないぞ」
え……だって今日は……
「翔太」
またそうやって。すぐ真剣な顔してずるい。
俺がどんなにドキドキしてるか、分かってないんだ捺さんは。
「……な、捺さん」
「んーなに?」
「き、キス、し……して下さい」
「いいよ。どこにする?」
「ここ」
俺は捺さんの唇に自分の唇を近づけて言った。
「ん!」
そこが重なったと思ったらすぐ口の中が舌でいっぱいになって、齧付くみたいなキスが俺の理性を奪ってくれる。
温かくて気持ちよくて、だから、身体がもっともっとって、快感を、捺さんを──欲してる。
「ふっ、う、ん」
「な、俺のお願いもきいてよ」
「ん……」
「言って」
「あ……、俺の、なか、に。捺さ……の、を、い、挿入れたい、から」
頭を掴まれ恥ずかしい言葉を放った部分を舌で埋められる。苦しいほど溶け合って混ざって、それから愛おしさが増していく。
捺さんになら、なにされてもいい。
俺ができることなら、なんだってする。
すべての願いを叶えてあげたい。
だから、だから────
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