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第12話 すれ違う心 ※R-18
「朗久さん、やめて!」
「やめろ?なぜ?」
唇を離し、両手を掴まれて、壁に体を押しあてられた。
まるで、自分が罪人のように感じた。
悪いのは私?
何人も愛人がいるのに私まで手に入れないと気がすまないの?
「妻だろう?」
「どうして、今―――っ!」
再び、唇を塞がれて蹂躙するような激しいキスを繰り返した。
「やっ…あっ…」
言葉を出そうとするたびに、唇を塞ぎ、息すらうまくできない。
頭の中がぼうっとしてきて体が崩れ落ちそうになるのを必死で耐えた。
「んっ…あっ、だ、だめ」
首に唇が吸い付き、わざわざ隠れにくい場所に痕を残し、あたかも自分の所有物であるかのように赤い痕を刻みこんでいく。
床に押し倒され、わけがわからないまま、体を好き勝手になぶられていた―――
手がスカートの中に伸びて、太ももに指を這わせると敏感な部分に指が触れ、体を強張らせた。
「あっ…や、やぁっ……ま、待って」
「どれだけ待てばいいんだ?」
朗久さんは口の端をあげ、皮肉な笑みを浮かべていた。
確かにそうだ―――結婚式の夜は何もなく、それからもずっと部屋が別々で。
借金を肩代わりしてもらったあげく、婚約者ではない年上の妻を迎えた朗久さんの気持ちを考えたら、そう言いたくもなる。
たとえ、愛人が何人いたとしても我慢しないといけないのは私の方。
「ごめんなさい……」
それを承諾ととったのか、唇を重ねた。
乱暴に抱かれるのかと、思ったのに体を這う唇は優しい。
「ひぅ……っ」
指が敏感な蜜壺にはいりこみ、前を指が押しつぶすと、声が出てしまう。
まるで探るように指がバラバラと動き回り、刺激を与えられ、一番感じる部分をあてられてしまう。
「あっ……んっ……」
擦られる度、下腹部が疼き、理性が少しずつはぎとられて、前の膨らみを指で強く押し付けられるとびくっ体が跳ねた。
「そこっ…はっ……」
何度も指でこすられると、くちゅ、と水音をたてはじめた。
そこからはもう崩れていくだけだった。
とろりとした蜜がこぼれたのが、自分でもわかる―――恥ずかしさのあまり、朗久さんの顔が見れない。
「感じてるのか」
「ちがっ…あっ」
くぷっと指が中に入り込み、前と中をこすりあげられるたび、腰が動いた。
もっと気持ちよくなりたいという気持ちが貪欲に指を追う。
「うっ…ふっ、あっ」
「ずいぶん濡れてきたな」
溢れだした蜜をすくい、私に見せつけた。
「や、あ」
泣きながら、ぶるぶると首を横に振った。
ぬるりとした蜜が指にからみ、糸をひき、前の突起にぬるりとした蜜をぬりこめられて、たまらず腰をうごめがせた。
「ひあああっ。んんっ…んあっ」
情けないほどに声が出て、指を逃さないように中がきゅうっと締め付けた。
くぷっ、と音を立てて指が引き抜かれた。
「あ……」
中途半端に終わらされて、もどかしい気持ちのまま、残された。
中が熱く蕩け、どろりとした蜜がこぼれて太ももを汚してしまい、自分の淫らさに唇をかんだ。
嫌だと言っておきながら、体は素直に反応している。
触れられることが嫌ではない―――それが悔しかった。
「いれるぞ」
熱く固いものがみちっと少しずつこめられていくのがわかった。
怖くて震えていると、髪を撫でながら優しく口づけた。
「あ……ああ、いっ…痛いからっ………おねがっ…い」
やめて、と言いかけて言葉を殺した。
私が何かを請える立場ではない。
「力を抜け。少しは楽になる」
上半身に体重をかけて、深く奥まで熱く固いものがおさまると、ゆっくりと動き始めて突き始めた。
「苦しっ……」
「そのうち、なれる」
中をえぐるように動き、いたわるように体をなでる。
酷い痛みの中で、そのちぐはぐな感触に頭が混乱する。
「ひあっあ……あっ」
体が激しく揺さぶられて、最奥まで突かれると、体が大きくのけぞった。
その衝撃に耐えぎれずに中に熱いものが一気に注ぎ込まれた。
「…っ」
「あっ…ああっ!」
どろりとしたものが太ももにこぼれた。
大量で入りきらなかった精が汚していく。
それで、終わりかと思いながら、呼吸を整えていると、再び中を突いた。
「あっ……も、もう無理。痛いから……」
「痛いだけじゃないだろう」
ぐちゅりっとお互いの出したものが中でかき混ぜられ、体が痺れたような感覚が襲う。
「あ…う、うそっ……」
朗久さんも余裕がないのか、激しく突き動かし、呼吸を乱した。
「ふっ…ああっ…あ、あっ」
奥にぶつかるたび、殺しきれない声がもれた。
熱い―――助けて。
声を上げそうになった瞬間、中に熱いものがまた注がれ、それと同時に自分の体が快感に震え、痙攣して頭の中が真っ白になった。
「ひっ―――ああああっ!」
「はっ…あ…」
朗久さんは力の抜けた体を寄せ、頭をなでた。
「愛している、莉世」
同じ言葉を誰にでも言っているのでしょう?
そう思っているのにその言葉を喜ぶ自分がいた。
胸が苦しくて、涙をこぼすとその涙を優しく唇が受け止められ、飽きることなく、口づけを繰り返していた。
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