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雪女との遭遇から辛うじて生き延びた弟子ですが、ひとつ問題が残されていました。
溢れんばかりの熱い滾りがまだ力強く脈打っているのです。
どうにか息を整えて鎮静を試みましたが、そのたびに雪女のたわわなふくらみの弾力が脳裏とてのひらに蘇りどうにもおさまりがつきません。
「こ、これはまさか雪女の呪いか…」
言いがかりです。
「くっ、いったいどうすれば…」
そのとき焦る弟子の視界に、まるで救いの神のように既に冷え切って息絶えた老人の姿が映りました。
「え、ちょっとまって、わし死んでるんじゃけど?」
「この猛りを収められるなら…この際背に腹は代えられないかと」
「いやいやわし男じゃんっていうか屍姦は直接的には犯罪じゃないが実際には間接的に死体損壊罪が付随するからノーチャンじゃぞ」
「大丈夫です師匠、誰も見てませんし発覚の恐れもありません」
死んでいる老人に迫りくる弟子を退ける術はありません。
「ちょ、ま、なんにも大丈夫じゃないし、おい、話聞けって」
「死人に口なしですよ師匠。お任せください、優しくしますから…」
「いやああああああああああアッー!?」
いつしか吹雪は止み、美しい朝日がふたりを照らしていました。
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