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関係修復
告白された日から一週間が経った。
仕事中は影響ないと言えばないのだが、明らかに俺を避けているのが見てとれる。
他の人とは挨拶ついでに雑談に応じるのに、俺とはそれ以上話そうとしない。挨拶を交わすとパッと視線を外す。
休憩になると、足早にフロアを出ていく。
そして今も扉の向こうに消えていった。
一つに束ねた髪が揺れる後ろ姿が、いつまでも心の中に居座る。挨拶と事務連絡以外ではまともに話していない。つきたくなくても、勝手に深い溜め息が出た。
その内なるようになると思っていたのだが、どうやら俺の見通しが甘かったらしい。
悔しいが翔也の言った通りだ。
桧山は今まで俺の回りにいなかったタイプだ。たまたま縁がなかったのか、他が淡々としていただけなのかは分からない。
「昼休憩頂きます」とフロアを出て、喫煙スペースに入った。ジャケットの内ポケットから煙草を取り出したのだが、こんな時に限って中身がない。グシャッと箱を潰すと、入ったばかりの喫煙スペースをあとにした。
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