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「妖精っていうより、じゃじゃ馬…」
「それに木漏れ日みたいに差し込む光のように温かく美しくて…」
「いや、圧倒的にシモン様の方が美しいですよ」
「花が咲いたような笑顔がとても可愛いくて…」
「あいつ、笑いすぎると鼻の穴膨らみますけどね」
「そこがまた可愛いんじゃないか! って、リチャードはさっきから何だい? どうやら私の明日の業務を全て引き受けたいみたいだね?」
「うえ!? いえ、何も! シモン様の言う通り、ソフィはヨウセイデウツクシクテエガオガカワイイステキナジョセイデス!」
本心を伝えていただけなのだが、シモン様はお気に召さないようである。
俺は慌てて、シモン様の言葉を人形のように復唱した。全く心にも思っていない事なので、感情移入が出来ないがそこは見逃して貰おう。
一息で言い切ったあとにチラリとシモン様を見ると、シモン様とすぐに目が合った。
ご主人様はいつになく強い眼差しで僕を見つめてくる。そして、深く頷いた後に言ったんだ。
「よし!」
よしってなんだよ! 思わず、心の中で突っ込みを入れてしまった!
「ああ、今日はもう何も手につかない。…リチャード、一杯付き合ってくれるかい?」
「…一杯と言わず、何杯でも」
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