83人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は次の対戦相手であるレオンを見つめた。
そうか、お前は、お前の持てる限りの力と誇りを今日ここにいる全員に見せつけるつもりなのか。何故だか嬉しくなる。きっとお前は、俺なんて眼中にないんだろう?
控え室に向かうのか、レオンがこちらにやって来たので俺は笑いながら仁王立ちでレオンの前に立ち塞がった。
「優勝したいのなら、俺の屍を越えてゆけ!」
汗を拭うレオンは一瞬戸惑いを見せていたが、ふっと魅惑的な美しい笑みを浮かべた。しかしその瞳はギラギラと輝いており、こちらを射殺さんとするような、強い光を宿している。
「ルーカス先輩…貴方の胸を借りるつもりで、俺は全力で挑みます」
そう言って、俺の横を通り過ぎるレオン。俺は振り返って、去っていくレオンの後ろ姿を見つめた。
レオン、言うじゃないか。易々と負けてやるつもりはないが、胸ならいくらでも貸してやる!
最初のコメントを投稿しよう!