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「シェリー、俺は…貴女をお慕いしています」
レオンのその言葉に、遂に涙がポロリと落ちる。私も素直に伝えることにした。
「…最近、貴方のことばかり考えるのです」
「俺の方が…もうずっと前から、貴女のことを考え続けています」
そう言って、優勝を手にしたその手で優しく私の涙を拭うレオン。
「…負けず嫌いね」
「本当のことです」
私たちは笑い合った。
「レオン、奇跡が起きたわ。貴方の事を教えて」
私がそう言うと、レオンは私の身体を静かに下ろしその場にゆっくりと片膝をついた。
まるでロマンス小説に出てくる、騎士が姫に愛を乞う場面のような…。
「シェリー」
レオンの黄金の瞳が私を射抜く。懇願するような表情で私を見上げるレオンを見つめかえして、その揺れる瞳を見た。
なぜそんなに不安そうなの…?
「貴女が好きです。そして、」
レオンは言葉を切り、小さく息を吐く。
「俺は、平民です」
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